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間脳下垂体機能障害に関する調査研究班の歴史

1)難病行政と難病研究の流れ

わが国における「難病」の行政的定義は、1972年に制定された「難病対策要綱」の中に以下のように提示された。

  • 原因不明、治療方針未確定であり、かつ、後遺症を残す恐れが少なくない疾病
  • 経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病

同時に難病の行政的施策として、症例数が少なく、原因不明で、治療方法が確立しておらず、生活面へ長期に支障を与える疾患に対応する指針が以下の4点を柱として示された。このうちの1.に従い、わが国の難病研究が行政主導の積極的な背景の中で開始されたことは今振り返っても世界に先駆けた先見の明のある姿勢であったと考えられる。

  • 調査研究の推進
  • 医療施設等の整備
  • 地域における保健・医療福祉の充実・連携
  • QOLの向上を目指した福祉施策の推進

そして1972年度から難病の調査研究がスモン、ベーチェット病など8疾患を対象とし8研究班でスタートした。これに少し遅れ、当班の源流である下垂体機能障害調査研究班は1973年7月16日に東京女子医科大学教授の鎮目和夫先生を初代班長として発足した。そして、その後約40年ほどの長きにわたりこの領域の疫学、病態生理学、診断学、治療学など幅広く研究を展開し続け、現在の間脳下垂体機能障害に関する調査研究班に至るまで多くの優秀な研究者により世界に誇るべき研究成果を数多く発信してきた。

2) 歴代の研究班名と班長

1973~1975年度
下垂体機能障害調査研究班
班長 鎮目和夫 (東京女子医科大学)
1976~1978年度
視床下部下垂体機能障害調査研究班
班長 鎮目和夫 (東京女子医科大学)
1979~1984年度
間脳下垂体機能障害調査研究班
班長 熊原雄一 (大阪大学)
1985~1989年度
間脳下垂体機能障害調査研究班
班長 清水直容 (帝京大学)
1990~1995年度
間脳下垂体機能障害調査研究班
班長 入江 實 (東邦大学)
1996~2001年度
間脳下垂体機能障害調査研究班
班長 加藤 讓 (島根医科大学)
2002~2007年度
間脳下垂体機能障害に関する調査研究班
班長 千原和夫 (神戸大学)
2008~現在
間脳下垂体機能障害に関する調査研究班
班長 大磯ユタカ (名古屋大学)

3)現在の研究対象疾患

現在の間脳下垂体機能障害に関する調査研究班は、難治性疾患克服研究事業の臨床調査研究分野に含まれる以下の6疾患を対象疾患として指定されている。

 
プロラクチン分泌異常症
 
ゴナドトロピン(LH/ FSH)分泌異常症
 
ADH(AVP)分泌異常症
 
先端巨大症
 
Cushing病
 
下垂体機能低下症

さらに、臨床調査研究対象疾患のうち、1)診断基準が確立、2)難治度、重症度が高い、3)患者数が比較的少ないため、公費負担の方法をとらないと原因の究明、治療法の開発などに困難をきたすおそれがある、以上の3条件を満たす疾患が医療費助成の対象となる特定疾患治療研究事業として指定されていた。2009年10月より当班関連の上記6疾患と下垂体性TSH分泌異常症の合計7疾患がこの特定疾患治療研究事業対象疾患として認定された。